准看護師ができないこと
基本情報として、准看護師ができないことを覚えておきましょう。
自らの判断で業務を行えない
まず挙げられるのが、自らの判断で業務を行えない点です。保健師助産師看護法にもある通り、准看護師が業務を行う際は医師や正看護師の指示を仰ぐ必要があります。正看護師であれば、患者の状態を観察した上で必要な看護業務を自らの判断で実施できます。しかし、准看護師は一旦報告をしなければなりません。
看護計画の立案ができない
准看護師は看護計画の立案をすることができません。これは、正看護師と准看護師に実施される教育の基本的な考え方が異なるためです。日本看護協会によれば、正看護師における教育の基本的な考え方には、「科学的根拠に基づいて看護を計画的に実践する基礎的能力を養う」とあります。一方、准看護師は「医師、歯科医師、または正看護師の指示の基に、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施できる能力を養う」とあります。このように、准看護師は看護計画を立案して実践するための能力をそもそも持っていません。求められている役割や教育水準が異なる点についても十分に理解しておきましょう。
指示を出すことができない
基本的に、准看護師は正看護師からの指示を受けて業務を行います。准看護師から正看護師に対して指示を出すことはありません。キャリアや在籍年数が上であっても、正看護師に指示を出すことは許されないのです。新人の正看護師が処置に迷っていても准看護師からは指示を出せないので、不便に感じる場面もあるかもしれません。
昇進ができない
准看護師のままキャリアを重ねても、管理職に昇進するチャンスはほとんどありません。准看護師は管理職になれないというルールが設けられているわけではありませんが、看護計画の立案ができない点や、指示がなければ動けない点などを考慮すると管理職に昇進するのは難しいでしょう。そのため、確実にキャリアアップするために正看護師の免許を取得するケースも少なくありません。
訪問看護ステーションで働く場合
准看護師は病院だけでなく訪問看護ステーションでも働けます。しかし、看護計画の立案と同様に訪問看護計画書や報告書の作成ができません。准看護師が訪問看護ステーションで働く場合、訪問看護計画書や報告書については正看護師や保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が作成することになります。こういった点でも、業務上で不便を感じることがあるかもしれません。とはいえ、看護に関する専門的な知識を有した人材が全体的に不足しているため、需要そのものは高いようです。